ネギまとFateのクロスオーバー小説を書いていこうと思ってます。
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晩冬と早春の狭間の稜線に太陽が僅かに顔を出す。
微かな柔らかさを伴った朝日を受け、世界に色が灯る。
二つの視線を背に刹那に向かい合っていた士郎は、射しこむ白い陽射しを合図に竹刀の切っ先を下ろす。
「今朝はこれくらいにしておくか」
「はい──」
対面の刹那も竹刀を納めると、胸にたまった空気を吐き出し僅かに乱れた息を整える。
「ありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございました」
「ご苦労様でござる」
互いに向けてお辞儀をする二人の元に、芝生に腰を下ろし観戦していた長瀬がタオルを手に歩み寄る。
「サンキュ」
「見事な腕前でござるなあ」
放られたタオルで額を拭う士郎に対して長瀬は心底感じ入ったように呟く。
「そうか?」
「刹那に剣の技量で匹敵する人物など、この学園にもほとんどいないでござるよ
長瀬は、普通の学園の範囲ならまずいないはずなんだけどな……、と複雑な表情を作る士郎に気付いた様子もなく言葉を続ける。
「しかし、こうして見ていると拙者も相手をしてほしくなるでござるな」
「相手をするのはいいんだが……。一体修業って何の修業なんだ?」
「それはヒミツでござる。ニンニン♪」
「………」
ある答えを導くステレオタイプな語尾に、士郎は何とも言えない顔で隣の刹那に耳打ちする。
「……長瀬ってもしかして、そうなのか?」
「え、ええ。士郎さんの想像で合っていると思います」
「………。俺が言うのもあれだけど、割とこの学園って何でもありだよなぁ……」
諦念が篭った呟きに刹那は乾いた笑みで相槌を打つ。
一拍の空白の後、事の成り行きを見つめていた長瀬に顔を向け口を開く。
「まあ、なんだ。長瀬の場合は教師としては稽古より先に勉強を優先してほしいな」
「善処するでござるよ」
柳に風といった態のバカ 五人衆の構成員の一人であるバカブルーに、士郎は呆れとも諦めともつかぬため息を一つ。
「それじゃ朝飯にするか。三人とも食べていくか?」
「私は──」
「もちろんでござる」
「ご馳走になるよ。衛宮先生の料理は絶品だと評判だからね」
遠慮を口にしようとする刹那に被せるように長瀬と、後方で一連の出来事を見守っていた龍宮が返答を返す。
さらに長瀬は刹那の背後に廻ると肩に手を乗せ、その体をくるりと半回転、寮の方向へと向ける。
「か、楓。何をする」
「まあまあ。目上の人物の誘いは素直に受けるものであろう? ──では衛宮殿、拙者たちは先に行っているでござるよ」
そう言い残して、長瀬は有無を言わせずに刹那の肩を押して歩き出す。
徐々に小さくなっていく二人の姿と話し声。
「全く。その台詞は俺の台詞なんだけどな」
士郎は苦笑を、龍宮も口元を薄く綻ばせて二人の後に続く。
昇る太陽に影がゆっくりと正しい縮尺を取り戻してゆく。
こうして、新たな日常の始まりは過ぎていった。
二つの視線を背に刹那に向かい合っていた士郎は、射しこむ白い陽射しを合図に竹刀の切っ先を下ろす。
「今朝はこれくらいにしておくか」
「はい──」
対面の刹那も竹刀を納めると、胸にたまった空気を吐き出し僅かに乱れた息を整える。
「ありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございました」
「ご苦労様でござる」
互いに向けてお辞儀をする二人の元に、芝生に腰を下ろし観戦していた長瀬がタオルを手に歩み寄る。
「サンキュ」
「見事な腕前でござるなあ」
放られたタオルで額を拭う士郎に対して長瀬は心底感じ入ったように呟く。
「そうか?」
「刹那に剣の技量で匹敵する人物など、この学園にもほとんどいないでござるよ
長瀬は、普通の学園の範囲ならまずいないはずなんだけどな……、と複雑な表情を作る士郎に気付いた様子もなく言葉を続ける。
「しかし、こうして見ていると拙者も相手をしてほしくなるでござるな」
「相手をするのはいいんだが……。一体修業って何の修業なんだ?」
「それはヒミツでござる。ニンニン♪」
「………」
ある答えを導くステレオタイプな語尾に、士郎は何とも言えない顔で隣の刹那に耳打ちする。
「……長瀬ってもしかして、そうなのか?」
「え、ええ。士郎さんの想像で合っていると思います」
「………。俺が言うのもあれだけど、割とこの学園って何でもありだよなぁ……」
諦念が篭った呟きに刹那は乾いた笑みで相槌を打つ。
一拍の空白の後、事の成り行きを見つめていた長瀬に顔を向け口を開く。
「まあ、なんだ。長瀬の場合は教師としては稽古より先に勉強を優先してほしいな」
「善処するでござるよ」
柳に風といった態のバカ
「それじゃ朝飯にするか。三人とも食べていくか?」
「私は──」
「もちろんでござる」
「ご馳走になるよ。衛宮先生の料理は絶品だと評判だからね」
遠慮を口にしようとする刹那に被せるように長瀬と、後方で一連の出来事を見守っていた龍宮が返答を返す。
さらに長瀬は刹那の背後に廻ると肩に手を乗せ、その体をくるりと半回転、寮の方向へと向ける。
「か、楓。何をする」
「まあまあ。目上の人物の誘いは素直に受けるものであろう? ──では衛宮殿、拙者たちは先に行っているでござるよ」
そう言い残して、長瀬は有無を言わせずに刹那の肩を押して歩き出す。
徐々に小さくなっていく二人の姿と話し声。
「全く。その台詞は俺の台詞なんだけどな」
士郎は苦笑を、龍宮も口元を薄く綻ばせて二人の後に続く。
昇る太陽に影がゆっくりと正しい縮尺を取り戻してゆく。
こうして、新たな日常の始まりは過ぎていった。
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Comment
読ませて頂きました
初めまして、万言と申します。
前々から読ませて頂いており、更新を楽しみにしておりました。
文章力も良く、話も分かりやすいので、これからが楽しみです。
で、少々毒舌と思われるかと思いますが、待たせておいてこれだけか!という思いが沸々とわき出てしまいました。
今回の話、書く必要があったのかな?とも思い、出来ればもう少し書いてほしかったです。
とまぁ言いたいことはそれだけです。御機嫌を悪くされたのならごめんなさい。もしかしたらご事情があるかも知れないのに。勝手なことを言ってすみませんでした。
とはいえ、打ち切りでないことに安心しました。
これからも完結に向けて頑張ってほしいです。
応援しています。
前々から読ませて頂いており、更新を楽しみにしておりました。
文章力も良く、話も分かりやすいので、これからが楽しみです。
で、少々毒舌と思われるかと思いますが、待たせておいてこれだけか!という思いが沸々とわき出てしまいました。
今回の話、書く必要があったのかな?とも思い、出来ればもう少し書いてほしかったです。
とまぁ言いたいことはそれだけです。御機嫌を悪くされたのならごめんなさい。もしかしたらご事情があるかも知れないのに。勝手なことを言ってすみませんでした。
とはいえ、打ち切りでないことに安心しました。
これからも完結に向けて頑張ってほしいです。
応援しています。
無題
更新御疲れ様です。今回も楽しませていただきました。
>「………。俺が言うのもあれだけど、割とこの学園って何でもありだよなぁ……
の部分おわりに 」をつけたほうが良いのでは?
刹那との稽古シーンが少し見たかったです。
>「………。俺が言うのもあれだけど、割とこの学園って何でもありだよなぁ……
の部分おわりに 」をつけたほうが良いのでは?
刹那との稽古シーンが少し見たかったです。
無題
えっ、2ヶ月近くかかってこんだけ? まさかこの後もまた1ヶ月くらい空くんですか? “忙しい” “更新が空く”“定期更新が不定期に”などは放置へのカウントダウンだと考えています。今まで見てきたサイトでそうなってきたサイトがかなり多いので… そうならないよう祈ってます。
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