ネギまとFateのクロスオーバー小説を書いていこうと思ってます。
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私─桜咲刹那─は麻帆良の近くの森の中を歩いている。
学園長から、学園へと召喚された人外の退治を依頼されたからだ。
しかも召喚主は関西呪術協会の術者とのことだ。
厭は無い。
修行にもなるし、なによりお嬢様を守るのが私の役目だ。
「……近いな」
人外独特の気配を感じ、夕凪を抜く。
気配を消し、人外のいるほうへと歩いていく。
すると、金属同士がぶつかる音が聞こえてきた。
「これは」
間違いない。
誰かが人外と戦っている音だ。
私より先に依頼を受けたものがいたのか?
とにかく音のするほうへと走る。
そして、その音源を視界に捉えた。
そこでは、40ほどの人外が一人の人を囲み。
円の中心にいる男は黒と白の双剣を操り、人外たちを次々と還していっていた。
正面から振るわれる棍棒を白の剣で受け止め、黒の剣で斬り捨て。
背後から突き出される刀を横に動いて躱すと振り向きざまに胴を一閃し。
側面からの槍を剣で逸らし、相手の手元にもぐりこんで逆袈裟に斬り上げる。
その過程で、一瞬だけ中心にいる男がこちらを見た気がするが、確かめる術はなかった。
それは、完成された輪舞曲を見ているようで、私は目を奪われた。
見惚れたといってもいい。
私も剣士の端くれだ。
剣舞を見れば、実力を推し量ることは出来る。
彼の技量は、私より上だ。
しかし、その技量が才能によるものではないことも同時に理解できた。
あれは才能のあるものの剣舞ではない。
才能だけなら、神鳴流の道場にいた誰よりも低いだろう。
だからこそ、私はそれに目を奪われた。
あれは非凡ではないからこそ積み重ねてきた鍛錬によるものだ。
それは、無骨ではあるが美しいとさえいえるものだった。
どれほど見惚れていたのか。
それがいけなかったのだろう。
「───っ!?」
いつのまにか横に迫っていた鬼に気付かなかったのは。
(しまったっ!)
慌ててかわそうとするが、相手の振り下ろす速度のほうが速い。
金棒が迫ってくるのが見える。
思わず目を閉じようとしたその瞬間、
「投影 開始」
声と共に目の前を何かが通過し、目の前の鬼の動きが止まり、消えていく。
見れば、鬼の体には穴があいていて、木には剣のようなものが突き刺さっていたが、それもまるで元からそこに無かったかのように消えていった。
なにが起こったのかわからず、何かが飛んできたほうに視線を向ける。
視線の先には、さっきまで双剣を構えていた男が弓を構えてこちらを見据えている。
──その視線は射抜くように鋭く、鷹の目を思い起こさせた。
「大丈夫か? 怪我はないか?」
気付けば、その人の周りから人外はいなくなっていて、その人はどうやら怪我がないか確かめにきたようだ。
「あ、はい…。大丈夫です」
「そっか。それならよかった」
私の言葉に安心したようで、さっきまでの厳しい表情は消え去り、そこには安堵の笑顔が浮かんでる。
ここで私は、助けてもらったのにお礼の一つも言っていないことに気付く。
「あの、助けてもらってありがとうございました」
「ああ、気にしなくていいよ」
なんでもない、という風に言うその人を初めてまっすぐと見る。
年齢は20代前半、身長は180後半といったところか。
染めたようには見えない白髪で、赤い外套を纏っている。
さきほどまであったはずの弓が消えたことから、おそらく魔法使いかその従者だろうと推測できる。
ここで、冷静になった頭に一つ疑問が浮かぶ。
──この人は、どうしてこんなところにいるんだろう?
確かに学園からそこまで遠くないとはいえ、こんな時間に森の中にいるというのは不審だ。
しかもおそらく魔法使いかその従者。
なにより、その男からは隠し切れない血の臭いがする。
人外を倒していることからやつらの味方ではないだろうが、それでも警戒するには十分すぎるほどだ。
「一つ訊いてもいいですか?」
さりげなく夕凪をいつでもぬけるようにしてから聞いてみる。
「ん、答えられることなら」
「あなたは、ここでなにをしてるんですか?」
するとその男性は困ったような顔を浮かべ、
「う~ん、何をしてるっていうか……、迷子、かな」
「は?」
その人は苦笑いを浮かべている。
「つまり、道に迷った、と?」
「まあ、それが一番近いかな、多分」
頭をかきながら、なんともあいまいな返事を返してくる。
そこには、さっきの戦っている時の鋭い表情は見る影もない。
その困ったような顔をみて、私はひとまず警戒を解いた。
嘘をついているようには見えない。
それに。 ──この人は信用できる。
なぜかそう感じた。
「それなら、私と一緒に来ますか?これから学園のほうに戻りますが」
「……悪いけど、そうさせてもらっていいかな? 正直、これからどうしていいのか困ってたんだ」
「かまいません。では、ついてきてください」
そういって先に歩き出そうとすると、
「あ、名前を教えてもらってもいいかな? 俺は衛宮士郎っていうんだけど」
その男性─衛宮士郎さん─はそういって自分の名前を名乗った。
そういえば、まだお互い名前を名乗っていなかった。
「──桜咲刹那です、士郎さん、でいいですか?」
というと、一瞬虚をつかれたような顔をするが、
「ん、それでいいよ、刹那ちゃん」
「───っ!」
顔が赤くなるのを感じる。
苗字で呼ばれても名前で呼ばれてもかまわないが、まさかちゃん付けで呼ばれるとは思わなかった。
「し、士郎さん!ちゃん付けで呼ぶのはやめてもらえませんか!?」
「? わかった。じゃあ、刹那、でいいか?」
「え、ええ。それでお願いします。では行きましょう」
赤くなっているであろう顔を隠すように歩き出す。
士郎さんはまだ不思議そうな顔をしているが、それでも私の横を歩いている。
心を落ち着けるために一つ深呼吸をして、もう一つ訊くべきことをきいてみる。
「士郎さん、あなたは魔法使いですか?」
さっきまでの剣や弓が消えていることから、おそらくアーティファクトだろうとめぼしをつけているが、確証がないため思い切って訊いてみることにした。
すると、士郎さんは驚いたような声をあげた。
「っ!? い、いや、俺は魔法使いじゃなくて魔術師、というよりは魔術使いなんだけど」
「? 同じではないんですか?」
私のその答えを聞くと、士郎さんは困惑したような顔をして立ち止まる。
そしてそのままブツブツと何かを呟きだしてしまった。
「士郎さん?」
「あ、ああ、すまない。ところで、刹那は退魔師かなにかなのか?」
「……そうですね、私は神鳴流の使い手ですから、退魔師と言っていいでしょうね」
そう告げると、士郎さんは再び考え込むような顔をして俯いてしまった。
が、今度はすぐに顔をあげた。
「刹那には魔術──魔法使いの知り合いとかいないかな?いるなら少し訊きたいことがあるんだけど」
事情はわからないが、今日のことを学園長に報告にいく私としてもそちらのほうが好都合だ。
「では、学園についたら学園長のところへ行きましょう。学園長は魔法使いですから」
「ありがとう」
「いえ、私も今日のことを学園長へ報告しないといけませんから」
そうして、私と士郎さんは歩きだした。
麻帆良学園へと向かって。
しかも召喚主は関西呪術協会の術者とのことだ。
厭は無い。
修行にもなるし、なによりお嬢様を守るのが私の役目だ。
「……近いな」
人外独特の気配を感じ、夕凪を抜く。
気配を消し、人外のいるほうへと歩いていく。
すると、金属同士がぶつかる音が聞こえてきた。
「これは」
間違いない。
誰かが人外と戦っている音だ。
私より先に依頼を受けたものがいたのか?
とにかく音のするほうへと走る。
そして、その音源を視界に捉えた。
そこでは、40ほどの人外が一人の人を囲み。
円の中心にいる男は黒と白の双剣を操り、人外たちを次々と還していっていた。
正面から振るわれる棍棒を白の剣で受け止め、黒の剣で斬り捨て。
背後から突き出される刀を横に動いて躱すと振り向きざまに胴を一閃し。
側面からの槍を剣で逸らし、相手の手元にもぐりこんで逆袈裟に斬り上げる。
その過程で、一瞬だけ中心にいる男がこちらを見た気がするが、確かめる術はなかった。
それは、完成された輪舞曲を見ているようで、私は目を奪われた。
見惚れたといってもいい。
私も剣士の端くれだ。
剣舞を見れば、実力を推し量ることは出来る。
彼の技量は、私より上だ。
しかし、その技量が才能によるものではないことも同時に理解できた。
あれは才能のあるものの剣舞ではない。
才能だけなら、神鳴流の道場にいた誰よりも低いだろう。
だからこそ、私はそれに目を奪われた。
あれは非凡ではないからこそ積み重ねてきた鍛錬によるものだ。
それは、無骨ではあるが美しいとさえいえるものだった。
どれほど見惚れていたのか。
それがいけなかったのだろう。
「───っ!?」
いつのまにか横に迫っていた鬼に気付かなかったのは。
(しまったっ!)
慌ててかわそうとするが、相手の振り下ろす速度のほうが速い。
金棒が迫ってくるのが見える。
思わず目を閉じようとしたその瞬間、
声と共に目の前を何かが通過し、目の前の鬼の動きが止まり、消えていく。
見れば、鬼の体には穴があいていて、木には剣のようなものが突き刺さっていたが、それもまるで元からそこに無かったかのように消えていった。
なにが起こったのかわからず、何かが飛んできたほうに視線を向ける。
視線の先には、さっきまで双剣を構えていた男が弓を構えてこちらを見据えている。
──その視線は射抜くように鋭く、鷹の目を思い起こさせた。
「大丈夫か? 怪我はないか?」
気付けば、その人の周りから人外はいなくなっていて、その人はどうやら怪我がないか確かめにきたようだ。
「あ、はい…。大丈夫です」
「そっか。それならよかった」
私の言葉に安心したようで、さっきまでの厳しい表情は消え去り、そこには安堵の笑顔が浮かんでる。
ここで私は、助けてもらったのにお礼の一つも言っていないことに気付く。
「あの、助けてもらってありがとうございました」
「ああ、気にしなくていいよ」
なんでもない、という風に言うその人を初めてまっすぐと見る。
年齢は20代前半、身長は180後半といったところか。
染めたようには見えない白髪で、赤い外套を纏っている。
さきほどまであったはずの弓が消えたことから、おそらく魔法使いかその従者だろうと推測できる。
ここで、冷静になった頭に一つ疑問が浮かぶ。
──この人は、どうしてこんなところにいるんだろう?
確かに学園からそこまで遠くないとはいえ、こんな時間に森の中にいるというのは不審だ。
しかもおそらく魔法使いかその従者。
なにより、その男からは隠し切れない血の臭いがする。
人外を倒していることからやつらの味方ではないだろうが、それでも警戒するには十分すぎるほどだ。
「一つ訊いてもいいですか?」
さりげなく夕凪をいつでもぬけるようにしてから聞いてみる。
「ん、答えられることなら」
「あなたは、ここでなにをしてるんですか?」
するとその男性は困ったような顔を浮かべ、
「う~ん、何をしてるっていうか……、迷子、かな」
「は?」
その人は苦笑いを浮かべている。
「つまり、道に迷った、と?」
「まあ、それが一番近いかな、多分」
頭をかきながら、なんともあいまいな返事を返してくる。
そこには、さっきの戦っている時の鋭い表情は見る影もない。
その困ったような顔をみて、私はひとまず警戒を解いた。
嘘をついているようには見えない。
それに。 ──この人は信用できる。
なぜかそう感じた。
「それなら、私と一緒に来ますか?これから学園のほうに戻りますが」
「……悪いけど、そうさせてもらっていいかな? 正直、これからどうしていいのか困ってたんだ」
「かまいません。では、ついてきてください」
そういって先に歩き出そうとすると、
「あ、名前を教えてもらってもいいかな? 俺は衛宮士郎っていうんだけど」
その男性─衛宮士郎さん─はそういって自分の名前を名乗った。
そういえば、まだお互い名前を名乗っていなかった。
「──桜咲刹那です、士郎さん、でいいですか?」
というと、一瞬虚をつかれたような顔をするが、
「ん、それでいいよ、刹那ちゃん」
「───っ!」
顔が赤くなるのを感じる。
苗字で呼ばれても名前で呼ばれてもかまわないが、まさかちゃん付けで呼ばれるとは思わなかった。
「し、士郎さん!ちゃん付けで呼ぶのはやめてもらえませんか!?」
「? わかった。じゃあ、刹那、でいいか?」
「え、ええ。それでお願いします。では行きましょう」
赤くなっているであろう顔を隠すように歩き出す。
士郎さんはまだ不思議そうな顔をしているが、それでも私の横を歩いている。
心を落ち着けるために一つ深呼吸をして、もう一つ訊くべきことをきいてみる。
「士郎さん、あなたは魔法使いですか?」
さっきまでの剣や弓が消えていることから、おそらくアーティファクトだろうとめぼしをつけているが、確証がないため思い切って訊いてみることにした。
すると、士郎さんは驚いたような声をあげた。
「っ!? い、いや、俺は魔法使いじゃなくて魔術師、というよりは魔術使いなんだけど」
「? 同じではないんですか?」
私のその答えを聞くと、士郎さんは困惑したような顔をして立ち止まる。
そしてそのままブツブツと何かを呟きだしてしまった。
「士郎さん?」
「あ、ああ、すまない。ところで、刹那は退魔師かなにかなのか?」
「……そうですね、私は神鳴流の使い手ですから、退魔師と言っていいでしょうね」
そう告げると、士郎さんは再び考え込むような顔をして俯いてしまった。
が、今度はすぐに顔をあげた。
「刹那には魔術──魔法使いの知り合いとかいないかな?いるなら少し訊きたいことがあるんだけど」
事情はわからないが、今日のことを学園長に報告にいく私としてもそちらのほうが好都合だ。
「では、学園についたら学園長のところへ行きましょう。学園長は魔法使いですから」
「ありがとう」
「いえ、私も今日のことを学園長へ報告しないといけませんから」
そうして、私と士郎さんは歩きだした。
麻帆良学園へと向かって。
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Comment
初めまして
拝読させて頂きました。
全体としては、可もなく不可もなく、と言った感じを受けました。この手のSSは多いので、これから個人色が出てくることに期待します。
あと、少し気になったのですが、
>誰かが人外と戦っている音だ。
>一般人が巻き込まれているのか?
この部分。人外と戦っている時点で一般人ではないと思うのですが…。
細かくてすみません。
更新頑張って下さい。
全体としては、可もなく不可もなく、と言った感じを受けました。この手のSSは多いので、これから個人色が出てくることに期待します。
あと、少し気になったのですが、
>誰かが人外と戦っている音だ。
>一般人が巻き込まれているのか?
この部分。人外と戦っている時点で一般人ではないと思うのですが…。
細かくてすみません。
更新頑張って下さい。
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