ネギまとFateのクロスオーバー小説を書いていこうと思ってます。
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朝、茶々丸が台所に下りてくると、そこには冷蔵庫を覗く士郎の姿があった。
「士郎さん?」
「ああ、おはよう茶々丸さん」
振り返り挨拶をする士郎に、茶々丸も軽くお辞儀をする。
「おはようございます。ところで、何をしていらっしゃるんですか?」
「これから朝食を作ろうとしてたところ」
「朝食ですか?」
「そ。朝食」
頷く士郎を見て、茶々丸は対応を決めかねる。
なにせ、自身は気付いていないだろうが、材料を見繕う士郎は鼻唄でも歌いださんばかりの雰囲気で、声がかけづらいことこの上ない。
それでも、茶々丸はおずおずと切り出す。
「あの……」
「ん?」
「朝食でしたら私が作りますが」
「いや、泊めてもらったんだし朝食くらい俺が作るよ」
「ですが……」
彼女の性格上、お客に料理を作らせるということはさせられないのだろう。
困ったような顔をする茶々丸にうーん、と唸る。
「それじゃ一緒に料理しようか」
茶々丸はしばらく考えた後で、
「……わかりました。それではお手伝いします」
「それじゃ茶々丸さん、」
「士郎さん、私のことは茶々丸でかまいません」
「了解。じゃあ、よろしくな茶々丸」
「はい、よろしくお願いします」
律儀に頭を下げてエプロンを身に付ける茶々丸に、冷蔵庫を覗いていた士郎はふと思いついたことを口にする。
「茶々丸は何か嫌いなものはあるか?」
「嫌いなもの、ですか?」
目をパチクリさせる茶々丸。
それを不思議に思いつつ、とりあえず説明を付け加える。
「ああ。嫌いなものを無理に食べるのは嫌だろうからな」
「士郎さん、私はロボットですから食べることは出来ませんので私の朝食は必要ありません」
なんでもない様子の茶々丸に対して、士郎はばつが悪そうな顔をする。
「そうか……、変なこと聞いてゴメンな」
「気になさらないでください。ですが士郎さんは私がロボットだということをマスターからお聞きになっていると思いましたが」
「聞いてたけどさ、ほら、茶々丸って普通の女の子だろ? だから忘れてた」
「え」
耳飾りとかは特徴あるけどな、と微笑む士郎に、茶々丸は口をあけて固まる。
だが、その原因が自分であるとは気付いていない士郎。
「どうかしたか?」
「あ……、いえ、何でもありません」
確かに外見上は何でもないように見えるが、それでも士郎は気を揉む。
「なんでもないならいいけど……。でも、どこか体の具合が悪いなら言ってくれ」
「……士郎さん、私はロボットですので」
「ああ、そうだったっけ」
言われたばかりのことを再び指摘され苦笑する士郎を、茶々丸はまじまじと見つめる。
その視線に気付き、
「俺の顔に何かついてる?」
と士郎。
「いえ、そういうわけではないのですが……」
歯切れの悪い茶々丸に士郎は内心小首を傾げるが、どこかがおかしいという無さそうだということは見て取れたので、話を元に戻す。
「まあ、エヴァがいつ起きてくるかわからないし、とりあえずは朝食を作ろうか?」
「……そうですね、マスターはまだ起きないと思いますが桜咲さんもいますし」
「あれ、刹那もいるのか?」
「はい。時間も遅かったので泊まっていっていただきました」
なるほど、と士郎は頷いて、士郎は再び冷蔵庫を開く。
そして隣に並び同じく食材を確認している茶々丸と、何を作ろうかと相談し始めた。
後は仕上げだけという頃になって、起こしにいった茶々丸と共にエヴァが手に人形をぶら下げて降りてきた。
「おはよう、エヴァ。台所借りてるぞ」
先に降りてきていた刹那もおはようございます、とペコリと頭を下げる。
「士郎か。……一体何をやっている?」
「何って、料理だけど?」
当然だろ? とでも言わんばかりに台所に立つ士郎に、エヴァは意外なものを見たような目をする。
「お前、料理なんてできたのか?」
「まあ家事は趣味みたいなもんだからな」
「ケケケ、ドンナヤツカト思エバ料理人デモ雇ッタカ? 御主人モ丸クナッタナ」
調理している手を止めずに話していると、突然ケケケ、とエヴァの手の中の人形─よく見ればロボット─が笑い出す。
「やかましいぞ、この馬鹿人形が」
そしてエヴァが当然のようにつっこみをいれる。
しかしそれは士郎にとっては当然であるはずもなく。
「えーと、エヴァ。その手の人形はなんだ?」
「こいつは私の初代従者のチャチャゼロだ」
とは言っても魔力が封印されてて動くことは出来んがな、とエヴァは付け加える。
「ヨロシクナ」
ケケケと笑ってぶっきらぼうな挨拶をするチャチャゼロに不穏なものを感じつつも、こちらこそ、と士郎は挨拶を返す。
それをどうでもよさそうに見た後、エヴァは台所の士郎に視線を戻す。
「ところで士郎」
「ん?」
「茶々丸の代わりに作るんだ。下手なものを出すなよ?」
「それは食べてからのお楽しみってことで。もうすぐ出来るから座って待っててくれ」
自身ありげな声色に、エヴァがふん、と鼻をならして腰を下ろし、チャチャゼロを隣の椅子に座らせるのを横目で見ながら、士郎は最後の仕上げに取り掛かった。
士郎と茶々丸がテーブルに料理を並べていく。
茶々丸との相談の結果、ご飯に味噌汁、焼き魚に煮物等々、これぞ和風という朝食になった。
「エヴァが嫌いなネギとニンニクは抜いておいた。まあニンニクを使うようなものはないけどな」
「見た目はまあまあだな」
「味もそんなに悪くないと思うぞ」
「それも食べてみればわかることだ」
すべての皿を並べ終え、士郎が席に着くのを合図に、
「「いただきます」」
各々料理に箸を伸ばす。
そして一口。
「……これは」
「美味しい……」
エヴァと刹那の口から自然とそんな言葉がもれた。
よほど意外だったのか、エヴァは目を丸くしている。
「そっか。それならよかった」
二人の反応に士郎は顔をほころばす。
「これをお前一人で作ったのか?」
「一人って訳じゃないさ。茶々丸にも手伝ってもらったし」
「いえ、私が手伝ったのはほんの少しだけでほとんど士郎さんが一人で作っていました」
「そんなことないさ。煮物の味付けとか火加減は茶々丸にやってもらってただろ?」
「ですが……」
「まあいい。お前の料理の腕が確かだということはわかった」
譲り合う2人に、このままだと話が終わらないと見たのか、エヴァが話を区切り、確かめるように料理を口にしてから改めて感心したように一言。
「それにしてもだ、これは茶々丸の作るものよりうまいかもしれんな」
「ええ。士郎さんの腕前はすばらしかったです」
「お前、教師より料理人のほうが向いてるんじゃないか?」
「よく言われたよ。それにしても、教師、か……」
まさか自分が教師をやることになるとはな、と苦笑を浮かべるのをエヴァが目敏く見つけからかう。
「どうした? 1日経ってやめたくなったか?」
「やめたくなったってわけじゃないけど、そうだな……、俺で出来るのかな、とは思うな」
いままで教師をやるなど考えたこともなく、参考にしようにも教師という言葉で最初に思い出すのは藤村大河。
教師としての力量は別として、一般的な教師像として参考になるかならないかで言えば、おそらくならない。
かといって自分が教師をしている姿というのも想像できない士郎が不安を覚えるのも当然と言える
「あのノーテンキどもの相手は骨だぞ」
それに追い討ちをかけるように、士郎が困惑する場面でも想像しているのか、くつくつと笑うエヴァの若干顔を引き攣らせる。
「まあ、クビにでもなったらウチに住まわせてやってもいいぞ。あのジジイがするとは思えんがな」
「本当か?」
エヴァはああ、と頷いた後、ニヤリと愉快気に口元を歪める。
「ただし下僕か、もしくはメシ使いとしてだがな」
「下僕……。っていうか、召使いの『召』の発音が微妙に違うのはわざとか?」
「さあ? どうだろうな。教えてほしいか?」
「……いい。エヴァの顔を見ればわかるから」
項垂れる士郎とは対照的に、その反応にか、それとも純粋に味に対してなのか、エヴァは満足そうに箸を動かす。
士郎に茶碗を突きつけ、
「おい士郎、おかわりだ」
「……はいよ」
私がやりましょうか、と言いたそうな茶々丸を手で制し、士郎は受け取った茶碗にご飯をよそうため台所に向かう。
「モウスデニメシ使イナンジャネーノカ?」
ケケケ、とチャチャゼロが笑い、刹那も微妙な表情をしつつも適切な言葉が見つからないのか、静かに朝食を取る。
こうして、エヴァの家の朝食はおおむね恙無く過ぎていった。
朝食の片付けをしていると、電話が鳴った。
茶々丸が電話を取ると相手は学園長だったようで、書類の準備が出来たので学園長室に来てくれとのこと。
丁度片付けもほぼ終わったところだったので、士郎と刹那は御暇することにした。
「本当にありがとな」
「お世話になりました」
わざわざ玄関まで見送りに来たエヴァと茶々丸に士郎と刹那は感謝を伝える。
「またぜひいらしてください」
「貸し1だぞ、士郎」
丁寧な態度の茶々丸と、不敵な物言いのエヴァ。
それが一日で見慣れたものとなっていることに気付いて、つい微笑む。
「わかった、借りにしとくよ」
その微笑が気に入らないのか、ふん、と鼻をならしてさっさと家の中へと戻っていくエヴァに周囲に家がないのを幸いに大きめの声で告げる。
「また明日な、エヴァ」
が、家の中から声は返ってこず、代わりに茶々丸が申し訳無さそうに頭を下げる。
「あの、士郎さん。お気を悪くなさらないでください」
「大丈夫。ただまた明日、って言いたかっただけだから」
エヴァの性格を考えて、元々返事が返ってくるとは思っていなかった士郎は気にするなと声をかける。
「茶々丸には迷惑をかけてばっかりだったな」
「いえ、そんなことはありません」
きっぱりと言い切る茶々丸に、士郎はもう1度ありがとう、とお礼を言う。
「それじゃ茶々丸も、また明日学校で」
「はい、また明日」
姿が見えなくなるまで律儀に玄関に立つ茶々丸に見送られながら、士郎たちはエヴァの家を後にした。
「ああ、おはよう茶々丸さん」
振り返り挨拶をする士郎に、茶々丸も軽くお辞儀をする。
「おはようございます。ところで、何をしていらっしゃるんですか?」
「これから朝食を作ろうとしてたところ」
「朝食ですか?」
「そ。朝食」
頷く士郎を見て、茶々丸は対応を決めかねる。
なにせ、自身は気付いていないだろうが、材料を見繕う士郎は鼻唄でも歌いださんばかりの雰囲気で、声がかけづらいことこの上ない。
それでも、茶々丸はおずおずと切り出す。
「あの……」
「ん?」
「朝食でしたら私が作りますが」
「いや、泊めてもらったんだし朝食くらい俺が作るよ」
「ですが……」
彼女の性格上、お客に料理を作らせるということはさせられないのだろう。
困ったような顔をする茶々丸にうーん、と唸る。
「それじゃ一緒に料理しようか」
茶々丸はしばらく考えた後で、
「……わかりました。それではお手伝いします」
「それじゃ茶々丸さん、」
「士郎さん、私のことは茶々丸でかまいません」
「了解。じゃあ、よろしくな茶々丸」
「はい、よろしくお願いします」
律儀に頭を下げてエプロンを身に付ける茶々丸に、冷蔵庫を覗いていた士郎はふと思いついたことを口にする。
「茶々丸は何か嫌いなものはあるか?」
「嫌いなもの、ですか?」
目をパチクリさせる茶々丸。
それを不思議に思いつつ、とりあえず説明を付け加える。
「ああ。嫌いなものを無理に食べるのは嫌だろうからな」
「士郎さん、私はロボットですから食べることは出来ませんので私の朝食は必要ありません」
なんでもない様子の茶々丸に対して、士郎はばつが悪そうな顔をする。
「そうか……、変なこと聞いてゴメンな」
「気になさらないでください。ですが士郎さんは私がロボットだということをマスターからお聞きになっていると思いましたが」
「聞いてたけどさ、ほら、茶々丸って普通の女の子だろ? だから忘れてた」
「え」
耳飾りとかは特徴あるけどな、と微笑む士郎に、茶々丸は口をあけて固まる。
だが、その原因が自分であるとは気付いていない士郎。
「どうかしたか?」
「あ……、いえ、何でもありません」
確かに外見上は何でもないように見えるが、それでも士郎は気を揉む。
「なんでもないならいいけど……。でも、どこか体の具合が悪いなら言ってくれ」
「……士郎さん、私はロボットですので」
「ああ、そうだったっけ」
言われたばかりのことを再び指摘され苦笑する士郎を、茶々丸はまじまじと見つめる。
その視線に気付き、
「俺の顔に何かついてる?」
と士郎。
「いえ、そういうわけではないのですが……」
歯切れの悪い茶々丸に士郎は内心小首を傾げるが、どこかがおかしいという無さそうだということは見て取れたので、話を元に戻す。
「まあ、エヴァがいつ起きてくるかわからないし、とりあえずは朝食を作ろうか?」
「……そうですね、マスターはまだ起きないと思いますが桜咲さんもいますし」
「あれ、刹那もいるのか?」
「はい。時間も遅かったので泊まっていっていただきました」
なるほど、と士郎は頷いて、士郎は再び冷蔵庫を開く。
そして隣に並び同じく食材を確認している茶々丸と、何を作ろうかと相談し始めた。
後は仕上げだけという頃になって、起こしにいった茶々丸と共にエヴァが手に人形をぶら下げて降りてきた。
「おはよう、エヴァ。台所借りてるぞ」
先に降りてきていた刹那もおはようございます、とペコリと頭を下げる。
「士郎か。……一体何をやっている?」
「何って、料理だけど?」
当然だろ? とでも言わんばかりに台所に立つ士郎に、エヴァは意外なものを見たような目をする。
「お前、料理なんてできたのか?」
「まあ家事は趣味みたいなもんだからな」
「ケケケ、ドンナヤツカト思エバ料理人デモ雇ッタカ? 御主人モ丸クナッタナ」
調理している手を止めずに話していると、突然ケケケ、とエヴァの手の中の人形─よく見ればロボット─が笑い出す。
「やかましいぞ、この馬鹿人形が」
そしてエヴァが当然のようにつっこみをいれる。
しかしそれは士郎にとっては当然であるはずもなく。
「えーと、エヴァ。その手の人形はなんだ?」
「こいつは私の初代従者のチャチャゼロだ」
とは言っても魔力が封印されてて動くことは出来んがな、とエヴァは付け加える。
「ヨロシクナ」
ケケケと笑ってぶっきらぼうな挨拶をするチャチャゼロに不穏なものを感じつつも、こちらこそ、と士郎は挨拶を返す。
それをどうでもよさそうに見た後、エヴァは台所の士郎に視線を戻す。
「ところで士郎」
「ん?」
「茶々丸の代わりに作るんだ。下手なものを出すなよ?」
「それは食べてからのお楽しみってことで。もうすぐ出来るから座って待っててくれ」
自身ありげな声色に、エヴァがふん、と鼻をならして腰を下ろし、チャチャゼロを隣の椅子に座らせるのを横目で見ながら、士郎は最後の仕上げに取り掛かった。
士郎と茶々丸がテーブルに料理を並べていく。
茶々丸との相談の結果、ご飯に味噌汁、焼き魚に煮物等々、これぞ和風という朝食になった。
「エヴァが嫌いなネギとニンニクは抜いておいた。まあニンニクを使うようなものはないけどな」
「見た目はまあまあだな」
「味もそんなに悪くないと思うぞ」
「それも食べてみればわかることだ」
すべての皿を並べ終え、士郎が席に着くのを合図に、
「「いただきます」」
各々料理に箸を伸ばす。
そして一口。
「……これは」
「美味しい……」
エヴァと刹那の口から自然とそんな言葉がもれた。
よほど意外だったのか、エヴァは目を丸くしている。
「そっか。それならよかった」
二人の反応に士郎は顔をほころばす。
「これをお前一人で作ったのか?」
「一人って訳じゃないさ。茶々丸にも手伝ってもらったし」
「いえ、私が手伝ったのはほんの少しだけでほとんど士郎さんが一人で作っていました」
「そんなことないさ。煮物の味付けとか火加減は茶々丸にやってもらってただろ?」
「ですが……」
「まあいい。お前の料理の腕が確かだということはわかった」
譲り合う2人に、このままだと話が終わらないと見たのか、エヴァが話を区切り、確かめるように料理を口にしてから改めて感心したように一言。
「それにしてもだ、これは茶々丸の作るものよりうまいかもしれんな」
「ええ。士郎さんの腕前はすばらしかったです」
「お前、教師より料理人のほうが向いてるんじゃないか?」
「よく言われたよ。それにしても、教師、か……」
まさか自分が教師をやることになるとはな、と苦笑を浮かべるのをエヴァが目敏く見つけからかう。
「どうした? 1日経ってやめたくなったか?」
「やめたくなったってわけじゃないけど、そうだな……、俺で出来るのかな、とは思うな」
いままで教師をやるなど考えたこともなく、参考にしようにも教師という言葉で最初に思い出すのは藤村大河。
教師としての力量は別として、一般的な教師像として参考になるかならないかで言えば、おそらくならない。
かといって自分が教師をしている姿というのも想像できない士郎が不安を覚えるのも当然と言える
「あのノーテンキどもの相手は骨だぞ」
それに追い討ちをかけるように、士郎が困惑する場面でも想像しているのか、くつくつと笑うエヴァの若干顔を引き攣らせる。
「まあ、クビにでもなったらウチに住まわせてやってもいいぞ。あのジジイがするとは思えんがな」
「本当か?」
エヴァはああ、と頷いた後、ニヤリと愉快気に口元を歪める。
「ただし下僕か、もしくはメシ使いとしてだがな」
「下僕……。っていうか、召使いの『召』の発音が微妙に違うのはわざとか?」
「さあ? どうだろうな。教えてほしいか?」
「……いい。エヴァの顔を見ればわかるから」
項垂れる士郎とは対照的に、その反応にか、それとも純粋に味に対してなのか、エヴァは満足そうに箸を動かす。
士郎に茶碗を突きつけ、
「おい士郎、おかわりだ」
「……はいよ」
私がやりましょうか、と言いたそうな茶々丸を手で制し、士郎は受け取った茶碗にご飯をよそうため台所に向かう。
「モウスデニメシ使イナンジャネーノカ?」
ケケケ、とチャチャゼロが笑い、刹那も微妙な表情をしつつも適切な言葉が見つからないのか、静かに朝食を取る。
こうして、エヴァの家の朝食はおおむね恙無く過ぎていった。
朝食の片付けをしていると、電話が鳴った。
茶々丸が電話を取ると相手は学園長だったようで、書類の準備が出来たので学園長室に来てくれとのこと。
丁度片付けもほぼ終わったところだったので、士郎と刹那は御暇することにした。
「本当にありがとな」
「お世話になりました」
わざわざ玄関まで見送りに来たエヴァと茶々丸に士郎と刹那は感謝を伝える。
「またぜひいらしてください」
「貸し1だぞ、士郎」
丁寧な態度の茶々丸と、不敵な物言いのエヴァ。
それが一日で見慣れたものとなっていることに気付いて、つい微笑む。
「わかった、借りにしとくよ」
その微笑が気に入らないのか、ふん、と鼻をならしてさっさと家の中へと戻っていくエヴァに周囲に家がないのを幸いに大きめの声で告げる。
「また明日な、エヴァ」
が、家の中から声は返ってこず、代わりに茶々丸が申し訳無さそうに頭を下げる。
「あの、士郎さん。お気を悪くなさらないでください」
「大丈夫。ただまた明日、って言いたかっただけだから」
エヴァの性格を考えて、元々返事が返ってくるとは思っていなかった士郎は気にするなと声をかける。
「茶々丸には迷惑をかけてばっかりだったな」
「いえ、そんなことはありません」
きっぱりと言い切る茶々丸に、士郎はもう1度ありがとう、とお礼を言う。
「それじゃ茶々丸も、また明日学校で」
「はい、また明日」
姿が見えなくなるまで律儀に玄関に立つ茶々丸に見送られながら、士郎たちはエヴァの家を後にした。
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Comment
無題
更新待ってました!!戦闘シーンも華がありますが、日常のシーンというのも和みますね。
一つ思ったのが、”茶々丸って普通の女の子だろ? ”という士郎の言葉。彼なら言いそうですが、さすがに”普通”はないかなと。言いたいことは判りますが、ちょっと無理があるかなというのが私見です。
文句を言ってしまいましたが、今回も面白かったです。次の更新待ってますよ。
一つ思ったのが、”茶々丸って普通の女の子だろ? ”という士郎の言葉。彼なら言いそうですが、さすがに”普通”はないかなと。言いたいことは判りますが、ちょっと無理があるかなというのが私見です。
文句を言ってしまいましたが、今回も面白かったです。次の更新待ってますよ。
無題
更新お待ちしておりました。
茶々丸が普通の女の子・・・・・・・・・まぁ、衛宮家に集まった女性陣や今まで出会った方を思い浮かべれば普通の女の子でしょうねぇ・・・感性がw
何、身体が無機体なことなんて軽い軽い。
てっきりこのままエヴァの所に住み着くかと思いましたがどうやらそうでもない様子。
おそらく次回あるだろう子供先生との邂逅と共に士郎の住居が何処になるのか楽しみにしております。
茶々丸が普通の女の子・・・・・・・・・まぁ、衛宮家に集まった女性陣や今まで出会った方を思い浮かべれば普通の女の子でしょうねぇ・・・感性がw
何、身体が無機体なことなんて軽い軽い。
てっきりこのままエヴァの所に住み着くかと思いましたがどうやらそうでもない様子。
おそらく次回あるだろう子供先生との邂逅と共に士郎の住居が何処になるのか楽しみにしております。
無題
なんつーか、この手の二次創作ではありがちな展開ですが、普通に考えるとまだ親しくも無い相手の家に泊めてもらって、次の日いきなり無断で台所に入り込んで料理しようとするって、えらい無礼者ですな。
どれだけ料理の腕に自信があったとしても、まず家人に断ってからするでしょ普通。
どれだけ料理の腕に自信があったとしても、まず家人に断ってからするでしょ普通。
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